日本にプラス 中野剛志「日本の没落」
本田宏先生が教えてくれた「21世紀の資本」Amazon primeで視聴しました😃
これを見て真っ先に思い出したのは「自由」という概念です。田中優子元法政大学学長は、「現代の自由とはたくさん消費していい自由。お金を稼いでいい自由」と話されてました。まさしくその通りだと思います。
契機となったのは産業革命ですね。
貴族と平民から、資本家と労働者という位置付けに代わりましたね。
私は中野剛志さんが好きで、著書を読んでいるのですが、『奇跡の社会科学』でカール・ポランニーを取り上げています。
産業革命以降、自然、人、物、金が市場に乗せられ、市場に任せればうまくいくとされてきました。しかしそれらは生態系、共同体、生産組織を破壊していき、格差というものを拡大したわけです。
そして、1980年代。
今度は新自由主義が誕生し、同じように「市場原理主義」により、生態系、共同体などを破壊してきました。
ポランニーや中野剛志さんは、新自由主義は全体主義を呼び込むとしています。
拡大した格差は人々を大衆化します。大衆化した人々は、個人でしかなく、よるべき共同体というものが存在しません。そこを束ねたのが、過去現れた独裁者(ヒトラーなど)であったわけです。
日本で言えば、小泉純一郎ですね。彼は紛れもない新自由主義者です。
『奇跡の社会科学』は、私のnoteにまとめています(途中ですが😅)
社会科学全般から福祉を考える|ぽんニャン|note
「奇跡の社会科学」(中野剛志著、PHP新書)の重要なところから福祉を見つめています。また、後々紹介された書籍も加えていきたいと思います。
実は、こうした流れを予見した人物がいます。ドイツの歴史家シュペングラーです。
これも中野剛志さんの著書『日本の没落』で紹介されます。
ヨーロッパで起きた産業革命は経済発展と捉えられがちですが、実は「没落の始まり」であったというものです。
その時にはもう、ヨーロッパで花ひらいた「文化」は「文明」となり、没落に向かうというものです。
「21世紀の資本」にあった、ロボット化というのは「機械による支配」であるし、資本の金融化というのも、全く同じです。
『日本の没落』については、本を読まれても良いですし、下記動画を参照されても良いと思います。
ではどうするかと言えば、これもポランニーが説く「社会防衛の原理」を働かせるべきだろうと思う訳です。
実は私達が関わる社会保障も重要な担い手だと思います。
国民の命と暮らしを守る。そのために、医療や福祉などが中心となり、ある種の共同体を地域に作っていく。
しかし、共同体を作るだけではなく、私たちの生活を良くしろと政治に物申していく。
これは、『アメリカの民主政治』を著したトクヴィルが訴えたところによります。
また、『自殺論』を著したデュルケームも、共同体の重要性を説きます。
大事なのは、なによりも政治であり、政治が資本を制するような政策をうつこと。国民の命と生活を守るように訴えること。さらに、国民が大衆化しないように共同体を作って、政治に訴えることが必要だと思いました。